ギター寅さんの日記 |2011年10月12日 バスウッドをめぐって

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2011年10月12日 バスウッドをめぐって

Youngtora.jpg

今から13年前、27歳のころのわたくしです。若い・・・・。まだ、ギター屋になろうなんて思っても見なかった、中途半端にとんがっていたころの写真です。

その当時はストラトを使ってました。当時は、テレキャスという”本妻”さんがありながら、ストラトという"愛人”にどっぷりはまっていた時期でした。

その当時使っていたのは、一本は奥に立てかけてある緑のUSAのアメスタ。そして、弾いている赤のストラトはフェンダージャパンのもので、バスウッドボディでした。

僕はそのころから相当ひねくれていて、みんなはバスウッドはあかん、見たいな事を言うのが、どうしてもわかりませんでした。本当にダメなら何で売られているのか。この、ものすごく単純で、根源的な疑問が僕にはあったからです。

「みんながあかんと言っているからあかん」みたいな、そんなことはないかと思っていました。

人々はバスウッドのギターを、音に腰がないだの、抜けがわるいだのと言います。けれど、エレキギターはアンプとシールドがあって初めて成立する楽器です。どんないいギターでもアンプがしょぼければ、腰もなければ抜けの悪い音にもなるはずです。

僕はそのころから、音の良し悪しは、ギター本体だけで決まるわけがない、そんな風に思っていました。そして今、こういう仕事をしていて、それは確信になりました。

もちろん、この2本を聞き比べをしてみたら、確かに音は違いました。けれどそれは、ボディだけが違うのではなく、搭載されているピックアップやハードウエアの違いもあるから、違うといえば当たり前なんです。

でも、音が違うとは言えども、安いほうが「悪い」とは思えませんでした。そういうキャラクターなんだとしか、僕は思いませんでした。

つまり、求めている音とは違うのでれば、それはあくまでも「違う」ということであって「悪い」という意味ではないと。その音で満足している人がいる以上、それは「間違い」でもなければ「悪い」ことでもないんです。

それが証拠に、って言うわけではありませんが、たとえばIbanezのRGなんか、10万円を超えるモデルでもバスウッドのものがあり、根強い人気を誇っていたりします。

しかし、正直なところ、このギターを使いこなすにはかなり時間がかかりました。つまり、それは、自分の出したい、ほしい音からは、ほど遠いところにあったからです。それに近づけるには相当いじり倒さなければなりませんでした。

でも、それはギターが悪いのではなく、それをチョイスした自分が悪いんです。なぜならば、ギターに足が生えて勝手に僕のところにやってきたわけではなく、自分が手に取ったものだからです。

自分のチョイスミスを棚に上げて、品物を批判するのは何か違うと、僕は思っています。だから、バスウッドのギターもぜんぜんありなんです、もちろんそれが自分の好みに合えば、という条件付きではあるのですが・・・。

いずれにしても、このギターのおかげで、だいぶ勉強をしたことは、間違いないんです。


そして、同じパーツを用いて作ったアルダーとバスウッドのストラトを、同じアンプ、同じシールドを使って他人が弾いているのを目隠しをして聞けば、どっちがどっちか、多分今でも、僕には判断が付かないと思います。

勉強不足といえばそれまでかもしれませんが、僕にはそこまで判断ができるだけの能力も、キャリアもありません。それに、それを聞き分けられることが、そんなに重要なことだとは思っていません。

なぜなら、プレイヤーとはギターの性能を評価したり、メーカーの意見を代弁したり、まことしやかに語られる「うわさ」などを確かめたりするためにギターを弾くわけではないからです。

初心者であれベテランであれ、あくまでもギタリストとは、ギターを使って何かを表現する「表現者」なのです。ですから、うちの価値基準は、「誰かがそういっているから」ではなく、その人が「表現者」として何を表現したいか、そこに尽きるのです。

私たちの仕事は、前にも書いたとおり、楽器を見させてもらうことでその人を見るということだからです。

ですから、バスウッドのギターでも、本人が気分よく弾いているのなら、それが「正解」だし、そこにできる限りよりそって、最高のパフォーマンスを引き出すことが私たちの仕事です。

さらに突っ込んでいけば、常識とされていることを常に疑ってかかり、それがもしもそれが間違いならば、その常識に「洗脳」されている人たちの目を開くといういことも、時として必要なんだと思っています。

よく検証もしないで、「バスウッド=悪い」、いや、自分の考えていることは違うことが、「悪い」なんて思っている人がいるとしたら、断言します、それこそ「間違い」です。

なぜなら、それは自分で自分の世界を、狭めているのと同じだからです。

最後になりますが、バスウッドのギターを持っている人たちに、私は声を大にして言いたい。

胸を張ってギターを弾きましょう。観客は、あなたがどんなギターを持っているかではなく、あなたのパフォーマンスを見て、拍手喝さいを送るのですから。

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プロフィール

ギター寅さん

Author:ギター寅さん
※なお、このブログの文章や写真、ファイルなどに付きましては、管理人ギター寅さんこと古谷周治は権利を放棄しておりません。引用・転載ご希望の方は、www.gwnn.infoまでご一報ください。無断引用・転載を発見しました場合は法的措置を取らせていただく可能性がありますので、十分ご注意ください。



1994年 京都精華大学人文学部人文学科卒業 8年間の仏具製作卸売会社勤務の後・・・、

2002年 ESPギタークラフトアカデミー大阪校本科修了、

2003年 アメリカ・アリゾナ州Roberto-Venn School of Luthiery秋クラス修了、

2004年 サンフランシスコでエレキギター工房、CenterLineGuitarsの立ち上げに参加

帰国後は木工職人、楽器店の修理担当をへて、現在に至る。


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