ギター寅さんの日記 |2013年3月16日 一億総ツッコミ時代

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2013年3月16日 一億総ツッコミ時代

最近、忙しいときと暇なときの落差が大きいのが悩みのフルヤです。で、暇なときといっても、外出したりでやることはあるんですが、そのとき移動の電車の中でよく本を読みます。

昨日、「一億総ツッコミ時代」という本を読みました。また、おもしろい評論家が出てきたなあと思っていたら、なんと芸人のマキタスポーツさんでした。以下のアドレスに、マキタスポーツさんのインタビューがあります。http://blogos.com/article/56944/

さて、ネットなんかをみていると、どこから借りてきた理屈か知りませんが、このギターがよくてこのギターがダメ、みたいな、そんなことをいう人が結構います。ギターはこうあるべき、このギターでこのジャンルを弾くのが楽しい、それはそれでいいんですが、それから外れる人を、あるいはそれ以外の嗜好を持つ人を、あたかも異端者と見るような、そういう風潮があるように思えてなりません。

プロ、アマを問わず、フラットな目線でものを見られる人が、とても少なくなったように思います。もちろん、人には生きてきた中で経験したことや学んだことから、思考や嗜好というものを作り上げていくので、ある程度仕方のないことかもしれませんが、それを差し引いていろいろな意味で窮屈になったように感じます。

ネットやSNSが進化したおかげで、みんなが「物事はなんでもこうあるべき」みたいなツッコミばかりし、そして、そこから外れて突っ込まれることを、極端に恐れているような気がしてなりません。

ぼくは、究極の勘違いとは、自分の好きなものは良いもので、好きでないものはよくないものと言う判断を下すことだと思います。特に、ギター好きの人には、残念ながらそういう人が多いのです。以前にも書きましたが、自分のよくわからないギターの音を、よくない音だといって、そのギターを持っている人を困らせる「自称経験者」の方の話をしましたが、そういう人など、まさしくその典型です。

そして、その人が自称であれ「経験者」と認識されるがゆえに、その場には同調圧力もかかります。その場で「ちょっと待てよ」ということが憚られる空気感こそ、僕は一番の罪だと思います。それは、槙田さんの言葉を借りれば、みんなが「メタ」な目線でものを見ようとしているのだと思います。知識や技術的度量の絶対量がないにもかかわらず、何かしらの高みにたって、ものを見ようとしているのです。

でも、本当にできる人はそういうことを絶対にしません。なぜなら、この世界に超越者たる人間なぞ存在しないことを知っているからです。リアルにすごい人は、それゆえに高いところからものをみようとはしません。むしろ、自分の立ち居地がどこなのかを常に意識するものです。

でも、最近思うのですが、高みに立って物を見ることができないなら、それこそ「ベタ」でいけばいいんだと思います。なぜなら、人々は四角四面杓子定規な理屈についていくのではなく、楽しそうなことについていくからです。たとえば、ギターの修理ひとつ出すにしても、同じ仕事ならぶすっとした偉そうな職人か、楽しい話ができる職人か、どっちに行くかなんて考えるまでもないことです。

ふざけているようにとられるかもしれませんが、いつも言っている「歌って踊って笑いの取れるギター職人を目指す」、というのはあながち冗談でもなく、真剣に目指しているところでもあります。

そして、ライブにみに来るお客さんは、そのバンドの観客動員数や売上を確保するとか、そのプレイヤーの持っているギターの材質やピックアップがどんなものか、そんなものを確認するために来ているのではありません。もちろん、そういう目線を持っている人はいるかもしれませんが、足を運び、お金を落とす主な動機は、「楽しそうだから」それに付きます。

アーティストを自称する人が、こんな機材を使っているとか、職人がこのアーティストのこの機材をつくったとか、そんなこと言ったところで、楽器のよくわからない聞き手からすれば、「ふ~ん」でおわりです。ようするに、堂でも良いことで、プレイヤーの自己満足でしかありません。

高級な服地はじつは裏地とか、見えない部分がすごいといいます。高級な料理は、素材はもちろんですが、ちょっとした工夫の積み重ねだといいます。そういう「奥ゆかしさ」こそ、高級な品物が高級たるゆえんでもあります。その「奥ゆかしさ」をみずからさらすこと、そしてその「奥ゆかしさ」に気がつかないことを、確か日本語では「無粋」といったはずです。

それゆえに、すごい機材やテクニックを誇るバンドよりも、技量的に同じなら、色物バンドのほうが拍手喝さいを浴びるなんてことも起こるわけです。色物バンドは、ふざけているように見えるけれど、そのステージは、圧倒的な技術と練習量に支えられていたりします。人々はそのことを敏感に感じ取るんです。それは、屁理屈でもなんでもなく人間の真理です。

その「奥ゆかしさ」を理解していないプレイヤーが、プロアマ問わず多いような気がします。職人とて同じ。みんなが「すごいなあ!」と賞賛したときに、その秘密をベラベラしゃべるのではなく、影でくすっと笑って、皆さんの前では深々と頭を下げて、さっと立ち去るみたいな、そういうスマートな人間になりたいと思います。


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プロフィール

ギター寅さん

Author:ギター寅さん
※なお、このブログの文章や写真、ファイルなどに付きましては、管理人ギター寅さんこと古谷周治は権利を放棄しておりません。引用・転載ご希望の方は、www.gwnn.infoまでご一報ください。無断引用・転載を発見しました場合は法的措置を取らせていただく可能性がありますので、十分ご注意ください。



1994年 京都精華大学人文学部人文学科卒業 8年間の仏具製作卸売会社勤務の後・・・、

2002年 ESPギタークラフトアカデミー大阪校本科修了、

2003年 アメリカ・アリゾナ州Roberto-Venn School of Luthiery秋クラス修了、

2004年 サンフランシスコでエレキギター工房、CenterLineGuitarsの立ち上げに参加

帰国後は木工職人、楽器店の修理担当をへて、現在に至る。


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