ギター寅さんの日記 |2011年7月15日 ハムバッカー考

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2011年7月15日 ハムバッカー考

気がつけば、宵山ですねえ。京都の夏の一番のピーク、今年も後半に入ったって、いやおうなしに思わされます。消防団の先輩が言ってましたが、このあと、六道参りがあって、大文字があって、あっちゅうまに九月になり、そうこうしているうちに秋のライトアップシーズンになり、年末警戒・・・・・。じきに、今年を振り返るなんてことになるでしょうね。

PA0_0271.jpg

先日、とあるお客様からハムバッカーのオーダーをいただきました。注文にいたるやり取りの中で、ひとつ気がついたことがあります。

たぶん、ハムバッカーを作ろうとするときは、「きらびやかな」音のするピックアップを目指すべきなのではないかと。それは、シングルコイルのような高音域が立ってくる、という意味ではなく、全音域に渡ってキレイに粒がそろって倍音もきれいに出る、という意味での「きらびやかさ」です。

それは、このピックアップが生まれてきた経緯を考えれば、すぐにわかることです。そもそも、ハムバッカーはウォームな音を狙って作られたのではなく、電磁波の影響を受けてノイズを出すシングルコイルの弱点を克服するために生まれてきたものです。その方法として、逆位相のコイルを隣同士に並べてそれぞれのコイルが発生するノイズを打ち消しあうのです。

その副産物として、シングルコイルより高い出力により、倍音を含めた高音域が減衰し、中低音域が強調されたいわゆるウォームな音になるのです。ハムバッカーはそもそも、ウォームな音を出すために考案されたのではなく、ハムノイズを低減するために考案されたのです。それゆえに、ハム(ノイズに)バッカー(スラングで「抵抗する者」という意味)なのです。

そして、僕らが音楽をやってきた環境の常識として、ハムバッカーは音が太い、という刷り込みがあります。ですから、オールドのPAFにあるような、本来的な「きらびやかさ」を持ったハムバッカーは、何か違うような思い込みがあるんです。それゆえに、歪ませてもキレイな音の出る高いパワーのハムバッカーが本来的なハムバッカーだ、という変な思い込みがあるんです。

歪みに強い、パワーのあるピックアップは、おそらくすぐに作れます。力任せにやればいいのですから。でも、それをやると、当然の事ながら、クリーンで弾けば音がつぶれたように聞こえます。普通に考えれば当たり前のことなのですが、抜けをよくしようとするには、単純にパワーを落とすか、磁力を調整すればいいのですが、そういう結論にはなかなかいたらないようです。

さて、「きらびやか」なピックアップはどうつくればいいのか。先日Alteroさんのアドバイスで作ったGwalも、ひとつの答えだと思いますし、結局磁石の手配が難航して止まっているフェライト磁石を乗っけたハムバッカーも、その回答のひとつなんだと思います。

とりあえず、考えうる方策をすべてやることにして、そのオーダーを受けることになりました。どんな結果がでるにか、そして、それを手にしたお客様に満足していただけるのか、難しいところではありますが、できる限りのことをやってみようと思っています。

なんでもそうなのですが、僕らは変な思い込みや、刷り込みに支配されているのです。自分の耳ではなく、他人の耳で音を聞き、判断をしています。本来的には、「誰かが言っていた」とか、「それが常識だから」ということではなく、自分に心地よいかどうか、それが本来的な判断基準のはずなんです。

わからないことは決して悪いことではありません。僕でもわからないことだらけなんです。でも、一番いけないことは、わからないことをわかろうとするときに、自分の感覚や判断ではなく、他の何かにゆだねてしまうことなんです。

玄人には玄人の、素人には素人の、それぞれの判断基準があります。ましてや、誰かが楽しくやっていることを「それはおかしい」なんていうのは、それこそが本当に「おかしい」ことなんです。

「常識」とされていることや、誰かが言った「これはいい」なんていう評価なんか、クソ食らえなんです。そんなものに寄り添っていたら、僕らは商売が続きません。つねに、常識を疑っていないと新しいものは生まれません。僕は、あなたが「楽しい」と思えること、「おもしろい」とおもえることに、とことん寄り添っていきたいと考えています。

そっちのほうが、絶対楽しいのですから。

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プロフィール

ギター寅さん

Author:ギター寅さん
※なお、このブログの文章や写真、ファイルなどに付きましては、管理人ギター寅さんこと古谷周治は権利を放棄しておりません。引用・転載ご希望の方は、www.gwnn.infoまでご一報ください。無断引用・転載を発見しました場合は法的措置を取らせていただく可能性がありますので、十分ご注意ください。



1994年 京都精華大学人文学部人文学科卒業 8年間の仏具製作卸売会社勤務の後・・・、

2002年 ESPギタークラフトアカデミー大阪校本科修了、

2003年 アメリカ・アリゾナ州Roberto-Venn School of Luthiery秋クラス修了、

2004年 サンフランシスコでエレキギター工房、CenterLineGuitarsの立ち上げに参加

帰国後は木工職人、楽器店の修理担当をへて、現在に至る。


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