ギター寅さんの日記 |2009年4月15日 晴 漆の話 9

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2009年4月15日 晴 漆の話 9

さて、そもそも論として、なぜ僕が漆と知り合うに至ったのか、をお話ししましょう。僕はギターの世界に入る前、とある仏具製作卸会社の社員をしていました。月の半部を営業、半分が現場、みたいな生活をしていました。そのころから感じていたことですが、仏具にしろ、ギターにしろ、いや、この世にあふれるものというものには、それぞれの職人が、その持てる力を注ぎこんで作っているのです。

もしも、あなたのおうちにお仏壇があるならご覧になってください。おそらくは、木でできているでしょう。彫り物などは難しいのは見てわかりますが、それ以上にしんどいのは、障子や枡組みのような高い精度を求められるものです。なぜなら、そこらがいい加減だと、扉は開け閉めするたびにきしんで(下手を打つとあかなくなる)枡組みがくるっていると、造作が非常に醜くなります。そして、金具。おそらくは、ギターパーツのような機械的な制度を求められることはないでしょうが、基本的に左右対称で仕上げなければならない物がおおく、違った意味で精度を求められます。

urushi sample

※写真のように、漆はさまざまな色も表現できるのです。

そして、塗りです。わかりやすいところでいけば、黒いものはたいてい漆の塗りです。時々、安もので人造漆というシンナーで溶ける漆がありますが、そんなものはうちでは使いません。すごいのは、木工職人はある程度漆塗りで太ることを計算して木地をこしらえます。このように、さまざまな工程を経て仏壇は作られます。そして、現場仕事で見た品物の中にFenderJapanのテレキャスターでも使われている栓材でできた賽銭箱がありました。

saisenbako.jpg

賽銭箱は、基本的に野外に設置するという前提の品物なので、木地もしっかりしていて重さもあります。そしてたいていは、風雨に耐えるために、スリウルシを施してあります。こいつがまた、日時がたつと、実にいい風合いが出てくる。お寺さんからの注文で賽銭箱の修理を言われると、結局塗り替えてしまうのがもったいないなあと感じたこともありました。しかし、ばらしてみたり、部品を輪切りにしてみるとよくわかるのですが、通常の塗装や漆塗りでは、木地に下地を打っているので木地の上に層ができるように塗装皮膜ができ、完全に覆い隠すように塗装皮膜ができているのですが、スリウルシの場合、ごく薄くではあるのですがある程度、木地にしみこんで塗装皮膜を作っています。これが、風雨に耐えることができる秘密なのです。木の細胞一つ一つにしみこんで硬化する、つまり、同化のようなことが起きているのです。当然と言えば当然です、両方とも、同じ自然のものなのですから。

urushi st up
※漆仕上げストラトに、これまた当店オリジナルのレーザーカッティングピックガードをあわせました。当店のロゴが入っています。ぴクガードのことは、また後日!

そして、ギターの世界に飛び込んだとき、絶対にこのスリウルシを使ったギターを作ってやろうと思いました。塗装皮膜は薄く、そして堅牢、木地の太り、やせにも追従する柔軟性、これしかないと思いました。そして、漆のことをもっと知りたい、そう思って探し出した漆教室で、最初にお願いをした漆職人さんと知り合ったのです。
長くなりましたが、とまあ、こんな理由で漆にのめりこんでいるわけです。安易な和風趣味や奇抜さを求めたものではなく、あくまでも道具としての性能をどこまで高められるか、そこが漆仕上げギターの出発点であることをご理解いただけたかと思います。

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プロフィール

ギター寅さん

Author:ギター寅さん
※なお、このブログの文章や写真、ファイルなどに付きましては、管理人ギター寅さんこと古谷周治は権利を放棄しておりません。引用・転載ご希望の方は、www.gwnn.infoまでご一報ください。無断引用・転載を発見しました場合は法的措置を取らせていただく可能性がありますので、十分ご注意ください。



1994年 京都精華大学人文学部人文学科卒業 8年間の仏具製作卸売会社勤務の後・・・、

2002年 ESPギタークラフトアカデミー大阪校本科修了、

2003年 アメリカ・アリゾナ州Roberto-Venn School of Luthiery秋クラス修了、

2004年 サンフランシスコでエレキギター工房、CenterLineGuitarsの立ち上げに参加

帰国後は木工職人、楽器店の修理担当をへて、現在に至る。


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