ギター寅さんの日記 |2009年4月7日 晴 漆の話 1

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2009年4月7日 晴 漆の話 1

Urushi st smalll2


海外で生活しているときによく感じたことですが、僕ら日本人は歴史や文化を含めて、自分の国のことや文化、技術を知らなさ過ぎます。で、なぜGWNNはそこまで漆にこだわっているのか、すこしずつ、このブログを通してお話したいと思います。僕自身、漆のすばらしさに気がつくには、海外での生活を経験しなければならなかったのです。あたりまえに近くにあるものは、なかなかそのよさを実感することはできません。

1 そもそも、漆とは?
漆(うるし、英語:Japanese lacquer)とは、ウルシ科のウルシノキ(漆の木)やブラックツリーから採取した樹液を加工した、ウルシオールを主成分とする天然樹脂塗料です。塗料とし、漆塗などに利用されるほか、接着剤としても利用されます。うるしの語源は其の仕上がりの美しさから、「麗し(うるわし)」とも「潤し(うるおし)」ともいわれ、また、接着力、塗装膜面の強さ、防水性をもった、まさしく美しさと実用を兼ね備えた、優秀な塗料なのです。いうまでもなく、漆器は日本を象徴する工芸品であり、英語で磁器を china ware または china と呼ぶのに対応して、漆器を japan ware または japan と呼びます。(ただし文脈がないところでただ「japan」と言っても通じないので注意)

2 成分
主成分は漆樹によって異なり、主として日本・中国・韓国産漆樹はウルシオール (urushiol)、台湾・ベトナム産漆樹はラッコール (laccol)、タイやミャンマー産漆樹はチチオール(thitsiol)を主成分とする。空気中の水蒸気がもつ酸素を用い、主成分のウルシオールが生漆に含まれる酵素、ラッカーゼの触媒作用によって常温で重合することで硬化します。また、漆が優れているところは、金属などに塗った場合、百数十度まで加熱することで焼き付け塗装することができるということであり、独特の深みのある色合いから、高価な美術工芸品などに用いられることもあります。

3 漆は万能素材。
漆はさまざまな使い方ができますが、代表的な使い方をいくつか紹介してみましょう。

・塗料
黒く輝く漆塗りは伝統工芸としてその美しさと強靱さを評価され、仏壇仏具、食器、高級家具、楽器などに用いられます。漆としては、もっとも一般的な使い方ではないでしょうか。漆は熱や湿気、酸、アルカリには強いのですが、紫外線を受けると劣化することが知られています。また、腐敗防止、防虫の効果もあります。黒漆と赤漆を用いて塗り分けることも行われる。酸化チタン系顔料(レーキ顔料)の登場により、赤と黒以外の色もかなり自由に出せるようになり、当方でもサンプルとして数色用意しております。漆を用いた日本の工芸品では京漆器がよく知られており、漆塗りの食器では、輪島塗などが有名です。おそらく、見たことがない、という方はいらっしゃらないのではないでしょうか。

・接着剤
江戸時代などには、漆を接着剤として用いることもよく行われました。例えば、小麦粉と漆を練り合わせて割れた磁器を接着するのに使う例があります。接着後、2週間ほど乾燥させて、接着部分の上に黒漆を塗って乾かし、さらに赤漆を塗り、金粉をまぶす手法は金継ぎ(きんつぎ)といいます。今の感覚で行けば、リサイクル、エコロジカルな感覚ですが、精度の高いものは、鑑賞に堪える、ないしは工芸的価値を高めるものとして扱われており、古物商の間では高値で取引されたりします。

・その他
竹細工の駕籠を漆で塗り固めるもの(籃胎)や、厚く塗り重ねた漆に彫刻を施す工芸品(彫漆)もあります。また、碁盤の目も、伝統的な品では黒漆を用いて太刀目盛りという手法で書かれる。面白いところでは、TOYOTAのセンチューリーには、黒漆でできた、高蒔絵の鳳凰で装飾されたホイールキャップが取り付けられています。日本車としての面目躍如です。また、変わったところでは、ミイラの保存に使われることもあったそうです。即身仏になろうとする修行者達は身体の防腐のために、予めタンパク質含有量の少ない木の実のみを食する「木食」を行うと共に、「入定」(死して即身仏となること)の直前に漆を飲んでその防腐作用を利用したといいます。

長くなりそうなので、今日はこの辺で。明日は漆の製法について書いていきたいと思います。

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プロフィール

ギター寅さん

Author:ギター寅さん
※なお、このブログの文章や写真、ファイルなどに付きましては、管理人ギター寅さんこと古谷周治は権利を放棄しておりません。引用・転載ご希望の方は、www.gwnn.infoまでご一報ください。無断引用・転載を発見しました場合は法的措置を取らせていただく可能性がありますので、十分ご注意ください。



1994年 京都精華大学人文学部人文学科卒業 8年間の仏具製作卸売会社勤務の後・・・、

2002年 ESPギタークラフトアカデミー大阪校本科修了、

2003年 アメリカ・アリゾナ州Roberto-Venn School of Luthiery秋クラス修了、

2004年 サンフランシスコでエレキギター工房、CenterLineGuitarsの立ち上げに参加

帰国後は木工職人、楽器店の修理担当をへて、現在に至る。


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